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ガーマルチョバ


ガイドブックの「旅のことば」の欄に目を通す。ジョージア語で「こんにちは」は・・・ガーマルチョバ。おっ、出た。ガーマルチョバ。
パントマイム・コメディアンにが~まるちょばというコンビがおり、その奇妙な名前の由来について話していたのを思い出したのだ。海外のコメディーシアターを回っていた二人が、ある国の舞台で「ガーマルチョバ」と挨拶して受けたとか、なぜかその国で出し物が受けたとか・・たしかそんな内容だったと思う。その国ってジョージアだったのね。そして、ついに僕はリアル・ガーマルチョバを体験することになった。


ところが現地に行ってみると、外国人である自分に対して「ガーマルチョバ」と挨拶する人はいない。たいてい、ハローとかハイ、とか、ちょっと気をきかせてニイハオとかアンニョンハセヨとか(笑)そんな挨拶をされる。まあ、郷に入っては郷に従えてなわけでこちらは一生懸命「ガーマルチョバ」と返すわけだが、地元民なぜか苦笑するんでやんす。発音がおかしいのかな。
もごもごと口ごもるジョージア人のガーマルチョバは時に「ガマチョ」の様にも聞こえるし・・・いったい正しい発音はどれなんだろう?
たとえば「今日は御機嫌いかかですか?」というような単語の組み合わせで構成されているとすれば「ガーマル・チョバ」なのか「ガー・マルチョバ」なのかはたまた「ガーマ・ルチョバ」なのか。「ガーマルチョバ」で「今日は」以下省略タイプか?
とにかく、語感的には忙しい都会よりものんびりした田舎に合っている。自分が子供のころに遊んだ「えんがちょ鍵閉めた」という言葉にも似ている(笑)


ガーマルチョバ以外にもジョージア語には面白い語感がたくさんある。しかし、語源がわからないから呪文のような言葉を丸暗記するしかない。
カズベギのステパンツミンダという村名を「捨てパンツ皆んな!」というゴロでなんとか憶え、タクシーを探す時に人に訪ねたが全然通じない。どうやら、僕は合う人合う人に「ヌギパンツミンナ行はどこですか?」と聞いていたようだ。


2019年12月記


今日の一枚
” 村のスケッチ ” ジョージア・カズベギ 2019年




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