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週末、ブハラの遊園地にて


ウズベキスタン・ブハラ。街の公園内に遊園地があった。平日の午後なのにすごい賑わいだ。客層は・・・見たところ高校や大学の学生が多い。学校帰りか、あるいは卒業を控えてのグループ旅行か。
遊園地の規模は至って小ぢんまりとしている。小さな観覧車とジェットコースター、メリーゴーラウンドにゴーカートなど20種類ほどの乗り物がある。小さなレストランも併設され、池ではボートにも乗れる。



ウズベキスタンの言語表記はすでにロシア語のキリル文字からアルファベットに変わっているが、ロシア語のままの看板は旧ソ連諸国の遊園地を思い起こさせる。まあ、旧ソ連諸国の遊園地といっても様々だったけれど。
ウクライナの冬の遊園地は枯葉に覆われ人影もまばらだった。ラトビアの都市型遊園地の巨大な絶叫マシンでは白夜の空に客の悲鳴が響いていたっけ。
ブハラの遊園地、規模は小さいけれど季節がいいね。ここブハラはいま初夏である。最新鋭のアトラクションはなくても、天気のよい日に友達と遊園地へ繰り出せば楽しさ倍増。
おもしろいことに、翌日ふたたびその遊園地に立ち寄ってみら客層ががらりと変わっていた。家族連れや、グループ旅行の大人たちが多い。そういえば今日金曜日ってイスラム教徒の休日だ。昨日は週末の午後だから学生客が多かったのね。



遊園地で人間ウォッチングをするのは何だか楽しい。お客さんたちを見てて気付いたんだけど、ブハラの人って顔つきが西洋人風だ。目鼻立ちははっきりしてる。しかしロシアのスラブ系ではない。話を聞くとブハラはタジク系の人が多いのだそうだ。なるほど地図的を見るとタジキスタンやトルクメニスタンが近い。昔カシュガルで見た東洋人とも西洋人ともつかないエキゾチックな顔が標高5000mのパミール高原を越えてようやくブハラと結びついた。週末の遊園地で僕はしばし想像を膨らませて、ムフフとニヤけるのでありました。




2018年10月記



今日の一枚
” ポートレイト ” ウズベキスタン・ブハラ 2017年




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