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| 東岸にて 念願叶ってヨルダン、イスラエルそしてパレスチナ自治区に行って来ました。 こういったいろいろなものが交じり合っていそうな場所が自分の好みなんです。けれども、実際にその地に足を踏み入れてみると人も文化も歴史も、予想以上に多くのものが複雑に絡み合っていてその濃さに少々たじろぎ気味。 ここの写真作品は簡潔にまとめる方針なんですが、結局、今回は100枚を越えるフルボリュームになってしまいました。もう、これ以上は削れません。 さて、タイトルの「バンク」というのは「川の土手、岸辺」のことなんですね。これが複数形になると両岸のことです。 そして、この場合の「リバー」はヨルダン川です。「ヨルダン川」といえば「ヨルダン川西岸」という名前がぱっと頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか。「ヨルダン川西岸」はイルラエルのパレスチナ人自治区のことです。 それじゃあ、ヨルダン川の東岸はどこ?・・・「ヨルダン・ハシミテ王国」という国です。王国ですよ、王国。 歴史を紐解くと、ヨルダンは川の西側のエルサレムやパレスチナと共に16世紀から20世紀初頭までオスマン帝国の一部でした。 第一次大戦後にオスマン帝国は解体され、ヨルダンおよびパレスチナはイギリスの統治下に入ります。そしてトランスヨルダン(当時の呼び名)の首都はアンマンになりました。 そのころは人口2万人の小さな町だったそうですから、アンマンは僅か1世紀で急速に拡大した比較的新しい街なんですね。 それでやっと解かりました。アンマンの建築物ってあまり歴史の重みを感じないんです。殺風景なコンクリート打ち抜きのビルみたいなのが密集している感じです。 けれども、それでアンマンに「魅力ない街」という烙印を押してしまうのは早い気がします。確かにひとつひとつの建物は殺風景なんですけど、それが山の斜面にへばりつくような圧倒的な数で迫ってくるともうね、すごい迫力、ものすごい「かたまり感」なんですよ。 わずか2万人からスタートした街が今や地平線まで広がる住宅地の連なり。今はヨルダンの人口の4分の1、120万人がここに住んでいるって言うんですから、なんだか感動さえ覚えます。 アンマンを離れて僕が次に向かったサルトの町はヨルダンの中西部に位置します。こちらはアンマンとは対照的にオスマン帝国時代にはエルサレムやナブルスとを結ぶ交易の中心都市でした。「輝かしい歴史を持つ古都」です。 けれども、サルトは首都の座をアンマンに奪われちゃったために衰退の一途をたどり歴史から取り残されてしまったわけです。つまり、アンマンの逆パターンですね。 こうした歴史的背景からサルトには現ヨルダン川西岸地域と共通の文化が多く見られます。アンマンとは違った非常にカチっとしたオスマン由来の伝統的文化です。山吹色の建築物が多く残っていて大変美しいです。そう考えるとサルトにパレスチナ人が多いというのもうなづけるような気がします。だってもともと同じ文化圏なんですから。 さて、話をヨルダンに戻しましょうか。 1946年ヨルダンはイギリスの統治を離れ独立。1950年にはエルサレムを含むヨルダン川西岸地区を占領しました。ところが1967年第三次中東戦争の後、ヨルダン川西岸はイスラエルに奪われます。その結果大量のパレスチナ難民を生み出してしまいました。その難民たちはヨルダンに流れ込み、現在ヨルダンの人口の約半分はパレスチナ人であるといわれています。 当然、異なった民族が共存すればそこには多少の軋轢が起こります。それがパレスチナ人とヨルダン人、パレスチナ人とヨルダン政府、ヨルダン人とヨルダン政府、といったところの摩擦となって時々表面化しているようです。 1994年、46年間にわたる対立の後ヨルダンはイスラエルと和平条約を結びます。そうして、この国はアラブ諸国ともイスラエルとも良い関係を保っている穏健派の国としての地位を確立するわけです。 それじゃあ、ヨルダンの人々ってどんな感じだかちょっと気になりませんか?これがなんというか、僕が今までに訪れた国々の中では1、2位を争うような親切な国民性でした。客人をもてなす心遣いというのがヒシヒシと伝わってまいります。 それを表す代表的な例がこれです。 どこの国に行っても外国人を見て人々が発する言葉って決まってますよね。「ハロー」「ハウ・アー・ユー?」じゃないですか?ヨルダンも同じです。ところがここは3言目が違う。「ウェルカム・トゥ・ジョルダン」と来る。これ実は凄いことなんじゃないかなって思います。 私たちは英語の授業で「ウェルカム・トゥ・・・」というのを最初に習いますかねぇ?下手したら最後までそのフレーズ練習しないんじゃないのかなぁ(笑)これですよ。この「おもてなしの精神」です。 個性豊かなヨルダンの人たちと街並を写真に収めた後、僕は西岸渡るためにヨルダン川へと下って行ったのでした。 それでは、本編が終わったあと川の向こう岸でお会いしましょう。 |
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